台湾と猫に心を奪われる

苦笑と嘲笑の入り混じった笑いをお届けしたい。純粋な笑いも添えて。

マチネの終わりに

 

最近読んで感動した本は何ですか?

心が揺さぶられて、まばたきできなくて、読み終わって脱力しきってしまうような、そんな力強い本を読んだことはありますか?

 

私が最近出会った力強い本が

平野啓一郎の「マチネの終わりに」です。

 

この本は、又吉がアメトークの読書芸人で紹介していたのを見て知りました。

大人の恋愛小説!みたいな文句で売り出されてますが、作者の思想要素がふんだんに織り交ぜられた哲学書のようにも感じられる本です。

 

ヒロインがよく「なぜなのかしら?」って呟くんです。

 

人生って本当に「なぜ?」の連続

自分と違う価値観を持った人と出会う時、自分の思い通りにならない時、自分の過去の選択にだって私たちは「なぜ?」だと考える。

 

多分人は、不確定さ、不明瞭さ、に立ち向かおうとする時、「なぜ?」と問うんだと思う。

 

そして、恋愛ってこの不確定さ、不明瞭さに溢れた行為だと思います。

 

相手が好きかどうかも分からない、これから一緒に過ごせるのかも分からない、もし一緒になれたとして相手をずっと好きでいられるかも分からない、ずっと一緒にいられるかも分からない。

 

もし、二人の出会いが「運命」の一言で片付けることができるなら、きっと恋愛中のもどかしさすらも、「なぜ?」すらも生まれない。無味乾燥の決定論的な恋愛になるんだと思う。

 

不明瞭に抗おうと、運命に抗おうと、たくさんの「なぜ?」を乗り越えて恋愛は完成するんじゃないかなと思います。

 

 

この本には、主人公とヒロイン以外にもたくさんの人物が登場します。

それぞれが、自分の道徳観に従って生きているけれど、絶対的な道徳観が存在していて、自分の行いとのギャップに苛まれながら許されたいと思ってる。

 

矛盾はどこかでまた矛盾を生み、ほころびは大きくなり続ける。

たくさんのもつれた糸を丁寧に解こうとする、それが「なぜ?」を乗り越えることだと思う。

 

多分、逃げることは簡単だし、隠すことも簡単にできる。

でも、この本の登場人物はみんな、純粋でまっすぐで繊細だから、時間がかかっても、もつれを解こうともがく。

 

そういう高潔さが、羨ましくもあり、危うくもどかしく思った。

 

 

以上、抽象的感想でした。

 

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 しかも、装幀もシンプルで配色が私の好きな色なのでお気に入りです。

 

人生は、決定論だと思っているけど、それに抗うことが人間の目的なのかもしれないし、抗うことすら決定論かもしれない。

 

この本を象徴する一文

「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」

 

本を読むと、この意味が分かります。

 

 

久しぶりに、本を読んでる間に時計を見たくないと思った。

姉と待ち合わせをしていたので、時計を見てしまえば本を閉じなければいけない事になる、絶対に嫌だ。

と思い、時計を見ずに一心に読みました。

そして、姉の連絡も返さず美術館のソファで号泣しながら読み上げた。

 

 

以上。勝手に書評でした。

 

日本でおじいちゃんのような廃人生活を送る引きこもりニート北内より。

 

では、寒さを楽しみながら、ブツブツ文句を言いながら

 

2018年も宜しくお願いします!